Amazonでレビューを頂きました。アマチュア無線について

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キノブックスから発売されました『宇宙を撮りたい、風船で。』ですが、アマゾンでも数件のレビューも頂けて、とてもうれしい限りです。

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風船に込めた思いをこうして皆さんの手元に届けることが出来たのはとてもうれしいことです。本を手に取って、読んでくれた方には感謝が尽きません。
アマゾンレビューでアマチュア無線の使用について疑問を投げかけてくれた方がおりましたので、このサイトでご回答したいと思います。

レビューはこちらのような内容でした。アマゾンからのスクショです。
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気になった所として、「(GPS信号の送信に)アマチュア無線は(中略)問題なく利用できます」(P176)とあるが、疑問が残る。
一つには、アマチュア無線は商業利用が出来ないことだ。CMや広告制作(商品の説明:著者について)の際に使用すれば、商業利用と判断される可能性がある。
もう一つは、無線機を風船につけて飛ばし、電波を発射させる事の合法性だ。現在、アマチュア無線の無線設備はインターネットなどによる遠隔操作が認められているが、幾つかの条件を満たした上で、許可を得なければならない。その点を踏まえると、送信機を無線従事者の管理の及ばない状態に置き、電波を発射させる事は、法律的にはグレーだと思う。(無線機を気球に付けて飛ばしてしまうと、免許人が無線設備を監視・制御出来ない。電波の発射を停止しなければならない状態になっても、停止させることが出来ない。)
上記のような課題をどのような方法でクリアしたのか、具体的に書いてあれば、(どんな種類の無線を使ったのか、など)説得力も増し、安心して読む事ができると思う。
アマゾンより引用

ご指摘の内容を要約すると、アマチュア無線を商用に使ってはいけないのではないか?という内容です。
これに関しては、ご指摘の通り。レビュアーの方はとてもお詳しいです。
私自身もアマチュア無線技士なので、商用利用禁止であることはもちろん知っており、徹底しています。
開発当初からこれまでアマチュア無線を搭載して飛行させた機体は全て実験機で撮影した映像や写真は一切CMや広告には使用されておりません。
クライアントが付いた案件に関しては、すべて商用でも利用できるGPS装置を利用して探索を行っています。

当ホームページではアマチュア無線を使ったバルーンによる宇宙撮影を簡単に解説していますが、あくまで挑戦するための方法を提案しているにすぎません。
挑戦するという過程を体験するために、情報公開しているのです。
レビューのご指摘の通り、アマチュア無線にも若干の問題があるのも事実です。ただし、その問題点自体がクリアになれば、問題をクリアすることは可能になります。
その方法は私の方で示すつもりはなく、それもまた挑戦することでクリアしていくことを体験してもらうことなのだと考えています。
それも含めて、「やってみる」から、はじめよう。なのだと思うのです。

この書籍は、意識して技術的な内容を省きました。
なので、技術的な内容を期待して購入された方には大変申し訳ありませんが、物足りない内容です。
技術の進歩は目を見張ります。ドローン問題もあり法律も数年で大きく変わります。古い情報は価値をなくし、存在する意味を失います。
本は一度世に出ると形を変えることはできません。私はこの本を、消費され消えていくものにしたくありませんでした。
それは、ふうせん宇宙撮影の本質は、挑戦する気持ちなのだと思っているからです。
挑戦する気持ちはいつの世でも必ず存在します。
挑戦するため、夢を追うため、勇気を失って、希望を失って立ち尽くすとき、1人の迷った人間の話を聞いてもらえたら、と思って書いてみました。
色あせないために、いつまでも残るものにするために、意図的に技術的な内容は排除したのでした。

しかし、これほどしっかりとレビューを書いていただけるとは、作者冥利につきます。
本当にありがとうございました!

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About Author

私は日本人で初めて、独力で宇宙開発を成功させました。私の行っている風船宇宙撮影を通して、より多くの人に、宇宙をもっと身近に、そして夢はすぐそこに広がっていることを実感してもらいたいと思っています。

2件のコメント

  1. 上空を飛んでゆく気球の追跡に興味があるのですが
    市販のGPSと言うのは携帯電話の電波などを使うのでしょうか?

    • ステラさま
      こんにちは。コメントありがとうございます。早速ですがご質問へのご回答です。
      携帯電話は陸上移動局ということで免許を取得しているので、基本的に陸上でしか使えません。詳しくはブログの別のページに記載しています。
      http://fusenucyu.com/?p=5516
      上空で使用できないので、上空で電波が出ない状態にすればOKなのですが、制御する機械をつけたり、プログラムを書き直したりすると、無線機(携帯電話)の改造に当たります。無線機の改造は電波法で禁じられています。これも詳しくは別のページに記載しています。
      http://fusenucyu.com/?p=5529
      スペースバルーンにおいて一応法の抜け道を抜けられる使用方法もあるのですが、携帯電話やスマホに関しては上空での追跡に関しては抜け道はありません。

      研究機関などが上空での装置追跡に衛星経由の通信手段を使用していますが、現在私も衛星経由の通信手段を使っています。
      人工衛星を経由するので、世界中どこに落ちても発見できるのが利点です。

      他にも手法はたくさんあり、例えば特定低電力無線を使用したり、(これはサポート用に搭載されています)、この記事にもありますが非商用に限りマチュア無線を使用することも可能です。
      しかし、国内の法律上、私たちが手軽に手に入る電波機器で使用できるものは、ほぼないのが現状です。

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