風船の打上をするに当たって、空の安全に配慮しなくてはいけません。 空を利用するものとして当然のことです。
風船って航空機にとってどの程度危険なの?
風船なんて、航空機にぶつかったって大したことないだろ、と思われるかもしれませんが、そんなことは全くありません。
風船であっても航空機とぶつかったら危険です。
風船側は遅い速度で漂う柔らかい物体ですが、ぶつかる航空機側はかなりの速度で飛んでいます。
時速1000キロ程度で突っ込んで無事では済まないのです。
対風船の事故は、漂うガス気球の数が少ないのでほとんど例はありませんが、対鳥の事故はかなりたくさんあるので参考になります。
鳥もやわらかくて、飛行機に比べゆっくり飛んでいるので、比較対象として似ています。
バードストライクなどで検索をかけてみると、たくさんの対鳥の事故画像が出てきます。(ちょっとグロテスクなので、苦手な方は調べない方が幸せです)
航空機のボディがかなり大きくえぐれていたり、エンジンが停止することもあります。
墜落することもあります。
墜落すればたくさんの人が犠牲になりますし、墜落しなくても航空機を破壊すれば数億円の賠償をしなくてはなりません。
風船も鳥と同様の事故を起こし得るのです。
ですから、航空機にぶつかることはあってはなりませんし、人命を危険にさらすことは絶対に避けなくてはなりません。
空の安全にどのように配慮してるの?
風船の打上は空の安全を守りながら行わなくてはなりません。
では、私はどのような手段を取っているのか、ご説明していきたいと思います。
まず、どの程度空には航空機が居るのでしょう。
以下のサイトはリアルタイムで航空機の位置情報を地図上に出してくれる、flightradae24というサイトへのリンクです。
飛行機ファンなら知っているかも?
http://www.flightradar24.com/38.89,138.56/6
リンクを見ると日本近郊を飛び交う飛行機がどれだけたくさんいるかよくわかると思います。
この画像を基に安全性について説明していきたいと思います。
安全な空で打上をしよう
時折、東京などの大都市近郊で打上をしたい、してもらえないか、というようなお問い合わせを頂きます。
私は絶対に東京での打上は行いません。
行いたいという人がいる場合には実施しないよう忠告します。
東京は、ご覧のとおりものすごい数の航空機が飛び交っています。
空に旅客機が居ない時間帯はありません。
風船が飛行する可能性のある空域に、同じ時間帯に数百機の旅客機が飛んでいることが分かります。
ちなみに、このサイトでは旅客機のみ表示されるので、これの他に自衛隊、米軍、海上保安庁、民間のテレビ局のヘリ、ドクターヘリ、等々大量の航空機が飛び交っています。
対航空機の事故の場合、数百人の人命にかかわることです。
東京で打上をするということは、数百人の人命にかかわることを行うということです。
そんなことはできませんよね。
一方私の打上を行っているのは北海道の東側、十勝平野です。
画像を見ての通り、北海道上空に飛行機は存在しません。
時間によっては1機か2機道東を飛行していることもありますが、私の風船は飛行機の存在しない時間帯に打上を行っていますので、いないものにはぶつかるはずもなく、対旅客機への事故の可能性は完全にゼロです。
旅客機以外の航空機のいる可能性もありますが、風船の飛行は法に則り通達が成されていますので、他飛行機に対して告知されていますので、安心です。
このようなデータを基に考えると、東京での打上は道東での打上に比べ数千~数万倍リスキーであることが容易に想像できると思います。
風船を使った宇宙撮影が、安全に多くの人に広がっていくことを願っています。