風船を使った宇宙開発の実用性は?

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こんにちは。Fusen Ucyu Projectの岩谷です。

民間による宇宙開発が注目を集めて久しいですね。

今年はインターステラが高度100kmまでのロケット打上実施計画を発表するなど、国内でも活気づいてきました。(2017年7月12日現在)

私の飛ばしているバルーン、これは高高度気球の一種です。

高高度気球は、宇宙環境に近しい環境まで飛翔するため、宇宙開発に位置づけられています。

2016年秋バルーンより撮影した地球と宇宙

2016年秋バルーンより撮影した地球と宇宙

バルーンを使った宇宙開発は、JAXAやNASAでも行われています。

ロケットもあるのに、なぜバルーンが使われているのでしょうか。

それには、バルーン打上における、相応のメリットがあるからです。

 

バルーンのメリットとは?

宇宙開発の現場でバルーン実験が行われているのは、バルーンの持つ優位性にあります。

バルーン開発をし続けてきた経験から、次の3つが優位性であると言えます。

1つは圧倒的なペイロードです。

2つは実験費用の圧倒的な低さです。

3つは実験実施のしやすさです。

 

まず、1のペイロードについて。

ペイロードとは、荷物のことです。

ロケットだったら人工衛星や有人ポットなど、目的地に送り届ける荷物を指します。

バルーンであったら、風船の下に取り付ける機材のことを指します。

ロケットはとても巨大です。

日本の主力ロケットH2Aロケットは、打上前の重さが約530トン(トンはキログラムの1000倍)もの重さがあります。

しかし、宇宙に運べる重さは、最も楽な低軌道ですらたったの19トンです。静止衛星軌道には5.5トンしか運べません。

差引の510トンの重さはどこに消えてしまうかと言うと、宇宙に行く途中に燃料として燃え尽きてしまったり、重りになって邪魔なので捨ててしまったりするのです。

重量比だと、低軌道だと3.5%、静止衛星軌道だとたったの1%しか目的地に運ぶことができないのです。

一方バルーンの場合、4トンのバルーンで4トンのペイロードを持ち上げることが出来ます。

下にぶら下がっているオレンジの物体がペイロード

下にぶら下がっているオレンジの物体がペイロード

重量比だと50%も目的地に運ぶことが出来るのです。

重量比あたりの損耗率が低いので、極めて効率的です。

さらに、バルーンは意外なほどに大量の重量を持ち上げることが可能です。

バルーンで大重量を持ち上げることはできないといわれたりしますが、これは誤りです。

サイズさえ大きくすれば、巨大な重量を運ぶことが出来ます。

数十トン、場合によっては数百トン浮揚されることが可能です。

このペイロード重量をロケットで打ち上げることは現段階では至難の業です。

しかし、バルーンではそれが可能になるのです。

 

2の実験費用の低さについて。

1で述べた通り、ペイロード比が高く損耗率が低いバルーンは、当然実験費用が安くなります。

事実として、ロケットの打ち上げ費用が1回100~200億円であるのに対し、NASAやJAXAが打上げしている100m級の大気球ですら打ち上げ費用は30億円程度です。

小型の10㎏程度のペイロードであれば1000万円程度になりますから、費用は1000分の1以下になるのです。

バルーンの性質上、単純であり、運用するために必要な人数や、システムがより簡単であることも理由ではないでしょうか。

 

3の実験のしやすさについて。

ロケットや気象条件からの影響が大きいため、いつでも打上ができるわけではありません。

また、投入したい軌道によって打上時間に制約があるため、やはり柔軟な打ち上げは難しいものです。

バルーンの場合も天候からの影響を受けますが、実験システムが簡略なため打上は実施しやすい傾向があります。

軌道投入へのタイミングもありません。

実験の実施しやすさはバルーンの方が優位であり、柔軟である故、コストなどもロケットより有利に働きます。

 

これらのメリットの他に、バルーンの到達高度では宇宙実験の一部を実施することが可能である事実もあります。

そのため、バルーンは宇宙開発において活躍することが出来ています。

人工衛星開発における不明点を先にバルーンで試すこともできます。

通信実験の事前実験をバルーンで実施することもできます。

放射線による影響の先実験もできます。

宇宙開発の分野には大きな伸びしろがあります。

今後宇宙開発が活発化していくにあたり、バルーンによる宇宙開発も活発化していくことは間違いないことでしょう。

私の設計するバルーンも年々巨大化し、10㎏程度のペイロードは運ぶことが可能になってきました。

今後はより巨大化し、より先へ進んでいきたいと思っています。

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About Author

私は日本人で初めて、独力で宇宙開発を成功させました。私の行っている風船宇宙撮影を通して、より多くの人に、宇宙をもっと身近に、そして夢はすぐそこに広がっていることを実感してもらいたいと思っています。

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