気球による宇宙撮影は、毎回必ず回収作業をしなくてはなりません。
回収にはGPSが必須です。
GPSがなければ発見できないからです。(ただし、GPSがあることはあくまで必要条件です。十分条件ではありません)
けれども、遠くまで流されるので回収はやっぱり大変。
ちなみにこれまでの成功率は81.2%
2013年9月現在、成功13回、実験回数16回です。
3回失敗していますが、原因は始めたばかりで無茶だったのと、風を知らなかったためです。
最近は失敗することはまずありません。
失敗しない理由は、GPSのお蔭ではありません。
正確な飛行予測と落下予測が可能であるためです。
GPSは探索のための道具ですが、探索できない場所に落ちた場合は探索のしようがないので、予測の方がはるかに大事なのです。
場所が分かっても、探索に入れない場所であればGPSの位置情報など無意味というわけです。
例えば、山奥とかロシアとか、海底とか。
GPSを過信してはいけません。
さて、機材のコストが結構高額です。
(場合によっては20万程度)、ロストがかなり痛いので、可能な限り避けたい。
一番高いのがGPS。
でも、これはどうしても積まないといけない。
理想のGPS装置は、安くて性能が良くて、軽くてバッテリーの長持ちするものなんですが、そうも都合の良いものはないんです。
いろいろあるので、ケースバイケースで。
1.GPS機能付き無線機
メリット
- 位置情報も送ってくれるので追跡出来て楽しい
- バッテリーが長持ち
- 近付けば親機と子機で位置情報を直接やり取りでき、回収しやすい
デメリット
- 無線免許が必要(私は持ってますが)なので一般向けではない
- 使用に法的な縛りがある
- 失った時が金銭的に痛い
- 重量が重い→巨大な気球が必要に→すごくお金がかかる
- 意外に当てにならない
2.GPS携帯
メリット
- ほどほど軽い
- カメラ内蔵なので、うまくやればカメラを追加で積む必要なし→全体が軽くなる→風船を小型にできる→安く上がる
デメリット
- バッテリーが全然ダメ
- 熱問題あり
- 携帯の電波が届かないと、どこにあるんだかわからない
- ロストした場合、解約費用がかなりかかり、結果的に結構高い
- 落下するまで位置が分からないので、追いかけられない
- 位置が平気で500mくらいずれることもあるので過信は禁物
3.探偵用のGPS端末
メリット
- かなり小型であるため、軽い機種を作れる
- バッテリー長持ち
デメリット
- 位置情報を発信する際に圏外だと発見できない
- 位置情報がいまいちいい加減(誤差100m程度)
- 障害物に弱い
- 落下するまで位置が特定できないので、追いかけられない
どれも一長一短です。
本当に資金が潤沢にあるなら全部積むのがいいでしょう。
多分機体はかなり重くなります。
私としてはこのサイトを見てくれている人の中で宇宙目指してみようかな、と思う人がもっと増えて、挑戦する人が出てきてほしいと思っています。
あんまりお金がかかるとハードルが上がってしまって、挑戦しにくくなってしまいます。
ハードルを下げて、いろいろな人と楽しめたらな、と思っているので色々考えています。
プリペイド式のGPS携帯があればいいのになぁとか思ってますが残念ながらないようですね。
打上の際には法を順守して、航空法に基いた各種申請を行った上で打上ましょう。
なお、当サイトの情報を元に打上を行い何かしらの事故やトラブルが発生しましても当方は責任は負いかねます。打上は自己責任で行ってください。
2件のコメント
どうも、はじめまして。現在高校一年生です。友達と一緒にスペースバルーンを行おうと思っています。
そこで質問なのですがgpsとして探偵用のgps端末をつかおうと思っているのですが電波法には触れないのでしょうか。
また、業務用のものだと2、3キロしか届かないと聞きました。どのようなものを岩谷さんは使われているのでしょうか。商品のurlなどを貼っていただけたらありがたいです。
始めまして。コメントいただきありがとうございます!
ご質問にご回答いたします。
探偵用のGPSがどのような電波を使用しているかで、合法か否かが変わります。
製造元もしくはレンタル業者にご確認してみてください。
「上空利用はOKですか?」と確認されると良いです。
私が過去に使用していたGPSは以下をご参考下さい!
http://fusenucyu.com/6001