風船の宇宙の旅。その旅程を説明したいと思います。
大雑把に説明して、旅程は5段階に分かれます。
1.打ち上げ
風船にヘリウムを入れて、機材の電源をONにします。
手を放して大空に放ちます。
2.上昇
穏やかな天気の中を上昇していきます。
高度が上がるにつれて、風が強くなります。
気温もどんどん寒くなっていきます。
大体100m上昇するごとに0.6度寒くなります。
高度4,000m程度で気温は氷点下に。
時速60㎞程度の暴風にさらされます。
電池がすべてダメになる寒さです。
まだまだ寒くなります。
空気が次第に薄くなっていきます。
高度10,000m付近では時速300㎞にも達するジェット気流が吹き荒れます。
風船はジェット気流に乗り、流されます。
気温は-65度にも達する極寒です。
風船は自転車をこぐくらいの速さで宇宙に向かって上昇を続けます。
ジェット気流を超えたころから気温が次第に高くなります。
しかし、この高さだと空気はないも同然です。
空気がないので、風船の上昇速度が一気に上がります。
飛行機が飛べる高さよりはるかかなたへ上昇していきます。
大気を超えて、空気のない空間へ。
3.最高点 35,000m程度
風船が破裂。
寒い中での破裂なので、ゴム風船は紙ふぶきのように、バラバラに砕け散ります。
浮力を失い、落下を開始します。
4.落下
一時的に落下物の速度が音速を超えます。
安全性に関してですが、このくらいの高さを飛行できる飛行機は存在しないので、事故はありえません。
空気が濃くなると、落下物は急激にブレーキがかかり、安全に地上に降りてきます。
高度15,000mより低い高さでは、落下速度は20kmより遅くなります。
落下しながら、今まで通ってきた空気の層を通り越していきます。
まっすぐ落ちてくるわけではありません。
また、ジェット気流に乗り、極寒の空間を通過して地表へ。
5.着陸
ゆっくりと着陸。
大地のどこかで、人の回収を待ちます。
風船の宇宙の旅はこんな具合で終わります。
ちなみに、どの気球も同じような旅程をたどるわけではありません。
設計者が違う設計をすれば、ちょっと異なる旅程になるでしょう。
4件のコメント
Pingback: 【画像&動画】岩谷圭介のふうせん宇宙撮影凄い!情熱大陸で! | Spot-top!
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海上に落下したカメラを回収する場合、落下地点に向かう船はどのようにして準備していらっしゃいますか。
Atsuさま、はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。
船は知り合いの漁師さんにお願いしていつもお世話になっています。
地元の海をよく知っている人にお願いするのが頼りになりますよ。
海を知らないと命にかかわりますので、信頼できる方をお探しください。