風船宇宙撮影、海外ではスペースバルーン(spaceballoon)などと呼ばれているようです。
まだそれほど数は多くありませんが、世界中で何人か打上を出来るようになってきました。(2014年6月記)
私の行っている風船宇宙撮影ですが、他と比べて何が違うの? と時々問われるので、ちょっとまとめてみようと思います。
風船宇宙撮影の一つ目の強みは、カメラの動作可能時間の長さです。
これは世界でも最長です。5時間近い時間、高画質で撮影することが出来ます。風船は打上から落下まで2時間30分程度、より高い高度まで上がったとしてもせいぜい3時間30分程度。5時間映すことが出来れば打上の様子から地上に落下する瞬間まで十分に映すことが可能です。
例えば以下の画像は30号機で撮影した落下の瞬間2秒くらい前の動画のキャプチャです。
最初から最後まで撮ることが出来るので、風船の旅の全体像が分かって楽しいです。
なお、この5時間は、途中でカメラを停止させたり、写真撮影に切り替えたり、画質を下げたりしてバッテリーを節約せず、フルHDで録画し続けることが可能な時間です。
世界で複数宇宙撮影を出来る団体がいても、成層圏に行って帰ってくるまで全て撮影できる団体はそれほどたくさんいません。風船の旅はとても過酷なので途中でカメラが止まってしまうのがほとんどです。とりわけ私のように40000mを超える超高高度まで打上をしてフルHD画質で動作させ続けることが可能な団体は存在しません。(JAXAやNASAは可能だと思います)
風船の旅は過酷なものです。大きな温度変化と気圧の変化にさらされます。
地上が25度くらいの適温であったとしても、成層圏の入り口12000mあたりではマイナス50~65度の超低温に。
機械は全てバッテリーで動いています。が、こんなに低い温度で動くバッテリーは世の中に存在しません。電池が電気を生むのは化学反応です。これもまた自然現象なので、どうやってもこの温度では機械を動かすのに十分な電力を生み出すことができないのです。
また風船で行く成層圏は、機械にとって宇宙と全く違いはありません。人工衛星と同じ問題にさらされることになります。(このへんの話の裏付けは過去の気球実験の論文や科学者の体験談を読めば山ほど出てきます)
気圧差も機械を動かなくします。地上で大気圧(1気圧)だったのにもかかわらず、最高点では100分の1気圧~1000分の2気圧まで低下。ここまで圧力が下がってしまうと、当然のことながら物性が変化します。
風船を使った宇宙撮影では、カメラは目です。必ず搭載しなくてはなりません。カメラはなんともデリケートな機械なので、極限環境で使用するのは大変です。
そんなカメラですが、私の発明した装置により宇宙環境で長時間動作させることが可能になりました。この発明品を使用することで、カメラのみならず様々な機械類を宇宙環境で使用することが可能です。
この装置はこれまでの装置に比べて非常に小型で安価で確実に動作するものです。
今後宇宙開発はどんどん小さなものになっていくことでしょう。ロケットも衛星も小型化します。
すると、これまで使われてきた大きな機材や装置が必要なくなってきます。
そのような時代に、この私の発明品を使用すれば、より宇宙開発が簡単に便利になっていくことでしょう。
そんな素敵な発明品なので、特許出願の準備を行っています。