テレビニュースなどで映し出される宇宙ステーションからの映像では人がふんわり浮いています。
誰もが知っている映像です。
このような映像を皆が見ているので、宇宙=無重力という大きな誤解が正しい認識であるかのようになっています。
さて、宇宙ステーションのある高度は約400㎞です。
この宇宙ステーションのある高度400㎞での重力は、私たちの生活している地上の90%弱あります。
「え~ でも、宇宙ステーションで人が浮いてるよ」と思いますよね。
宇宙ステーションは、時速28万キロメートルの速度で飛んでいます。
この速度で飛ぶことで、重力と反対側に遠心力がかかっています。
遠心力と重力が相殺され、宇宙ステーションの中にいる人にとっては無重力になっているだけなのです。
宇宙ステーションの飛ぶ速度が遅くなったら重力に負けて落ちてきます。
そして燃えつきます。
役目を終えた古い人工衛星は皆地球に落ちてくるのはこういう理由です。
もし宇宙ステーションが飛ぶ速さが速くなったら重力を振り切ってどこかに飛んで行きます。
月ロケットや火星探査機などはこのようにしています。
高く上がるだけでは必ず地球に落ちてきます。
どこまで行っても重力から逃れることはできません。
例え太陽系の外まで行こうと、かならず重力に引き戻されます。
重力は無限の彼方まで届く力なのです。
宇宙=無重力というのは誤解だということをお分かりいただけたでしょうか?
2件のコメント
国際宇宙ステーションの中が無重力状態になるのは理解しているのですが、仮に
ロケットが地球の重力圏を突破して地球よりもはるかはるか遠くに行ってしまったとしたら、
そのロケットの中はどうなるんだろう?と不思議に思ったのです。
力が釣り合わずに地球から離れる方向だけに進むわけですから、ロケットの中に普通に
上下が出来上がるのかなと考えているのですが、どうなるのか知りたいです。
えいこさま、コメントいただきありがとうございます。
第二宇宙速度約 11.2 km/s(40,300 km/h)以上の速度で飛び出せば地球の重力圏から離れることが出来ます。
その場合、主に太陽の重力に支配されます。
太陽を中心とした円運動をするので、中の人にとっては無重力状態です。
太陽の重力を振り切る速度約 16.7 km/s (60,100 km/h) 、第三宇宙速度以上の速度で飛行した場合、今度は太陽の重力圏から離れることができます。
その場合は銀河の真ん中を中心とした円運動をすることになるので、中の人にとっては無重力になります。
と、このように宇宙空間を運動する乗り物の中は、中の人にとっては移動中は基本的に無重力状態です。
重力を感じることが出来るのは、加速中や方向転換の時だけです。