※この記事は2014年8月9日に執筆されたものです。法改正などありますので、現状と異なる可能性があります。不明点などありましたら総務省等にお問い合わせください。
「iPhoneはバルーンカメラとして使えるの?」「風船にiPhoneを付けて宇宙撮影をしてみたいんだけれど・・・」という質問を最近沢山頂きました。
結論からお話すると、宇宙撮影にiPhoneは使えません。
が、それが何故か詳しくお話しいたします。
法律で禁止されている
iPhoneをはじめとするスマートフォンは地上移動局として電波を使用しています。
地上移動局とは地上で使用するための免許を受けている局であり、上空や海上では使用することはできず、違法行為になります。
違反した場合刑事罰の対象です。
刑事罰というのは、要するに悪い事をしたということで警察官が来て逮捕され、その後起訴され、刑事裁判にかけられ、罰が与えされるということです。
1年以下の懲役または100万円以下の罰金というとても重い罰が科せられます。前科も付きます。
以前この法律に関してはとても細かく記載しましたので、参考にしていただけたらと思います。
ちなみに電波法は日本国内に適応されるものですので、海外で実施する分にはiPhoneを打上げできます。
しかし、日本国内では違法行為です。
空にiPhoneやスマホを放った時点で違法行為になります。
海外の模倣では日本で打上することはできないんです。
iPhoneを使う場合の抜け道
iPhoneを上空で使用すると違法だと説明をしましたが、実は法律の抜け道があります。
iPhoneが地上移動局とみなされるのは、電源が入り、電波を受送信できる状態にあるときだけです。
電波を受送信できない、機内モードであれば、地上移動局としてみなされません。これが唯一の抜け道です。
これであれば、上空や海上で使用することができます。
しかし機内モード設定ですから、当然GPS、もしくはメールの送信、外部とのコンタクトすべてが出来なくなります。つまりiPod touchと同じ状態です。
電波を絶対に発しない状態で打ち上げなくてはいけませんから、いかなる手法を使ってもiPhoneを探すことが出来なくなります。
改造して地上に戻ってきてから電波を発するようにすれば良いではないかと思われるかもしれませんが、これもまた電波法に抵触します。
改造自体がアウトです。
外部に制御する機械や、スマートフォンを制御するプログラムを入れることは全て禁止されています。
詳しくは、スマートフォンや携帯電話の改造も法律で禁止されています をご参考ください。
改造行為もまた刑事罰の対象となり、重い罰が設定されています。
ですから、iPhoneを搭載したとしてもカメラ機能しか果たしません。
カメラとしてのiPhoneは使い物にならない
先にも述べた通り、iPhoneを合法的に使用するためにはカメラとしてしか使うことが出来ません。
しかし、そうなるとiPhoneより遥かに優れたカメラはごまんとあります。
相当性能の良いカメラですらiPhoneよりはるかに安く購入できます。画像も綺麗ですし、さらに高機能です。
これだけ考えてもiPhoneを上げるメリットはありません。
iPhoneにはさらにデメリットがあります。なくした場合も解約手数料も発生することです。
このように考えると、カメラの代わりにわざわざ使いにくいiPhoneを搭載しなくてはならない理由などどこにもありません。
一応法律的には機内モードにしてカメラとしてなら上げれないこともないのですが、無駄に値段が高くカメラ性能も機能も劣るiPhoneをあえて上げるメリットは皆無です。
全てにおいて劣り、何もメリットもないのにiPhoneを上げる必要性がどこに有るのでしょうか。
よってiPhoneは使えないのです。
海外では
海外ではiPhoneを上げている人が何人かいるようです。
海外では電波に関する法律が異なるので、iPhoneを探索用GPSとして使えます。
なので、スペースバルーンに必要な機械が全てiPhoneで完結してしまい、とても便利なのです。
しかし、これは海外のお話。
日本では違法行為になってしまうので、使うことが出来ないのです。
日本の国内法にマッチした打上をしましょう。
2件のコメント
・外部に制御する機械や、スマートフォンを制御するプログラムを入れることは全て禁止されています。
とかかれていますが、アプリとかでもこれはアウトなのでしょうか。
さかいさま
本来ない機能を付け加えることは改造ということになってしまいます。アプリによる拡張で電波を制御することは改造となるということを私は総務省、及び総合通信局から回答頂きました。
ただし内容次第であるため、私では分かりかねることでもございますので、総務省または総合通信局にお問い合わせただくことが確実かと。
連絡先は以下の通りです。
http://www.tele.soumu.go.jp/j/material/commtab1.htm