※この記事は2014年8月10日に執筆されたものです。法改正などありますので、現状と異なる可能性があります。不明点などありましたら総務省等にお問い合わせください。
バルーンを使った宇宙撮影で落下先を検索するために必要なGPS。スマートフォンを使えばできるじゃないかと考えてしまいますが、これは法律で禁じられているのでできません。
最近気球やラジコン等で検索用にスマートフォンを搭載したいというお問合せを複数お受けしましたので、内容をまとめることにしました。
これまで複数の記事でスマホの上空での利用について記載してきました。
これらの記事を見た方から、上空で通信を行わなければ合法で利用できるのか?というお問合せを頂きました。
上空にあげている間は通信を行わず、落下してきてから通信を行うというのは合法になるのではないかという質問です。
結論からお話すると、違法です。
スマートフォンは常に基地局と通信するために電波を発しています。
メールや電話、その他データ通信をしていようがいまいが、電波を発しています。
ですので、上空に上がった時点で上空での電波利用に当たり、違法行為となります。
国内でバルーン打上やラジコン・スカイスポーツをされている方々もこの点気付いていない方がほとんどのようです。
なお、スマートフォンの設定で、機内モードにすれば、電波は発していないので違法行為とはなりません。
機内モード設定のスマートフォンを情報の処理や記録のためのコンピューターとして利用するのであれば合法です。
機内モードの場合、GPSによる位置情報を通信することができませんので、見つけることは不可能です。
プログラミングされ、落下後に機内モードから通常のモードに切り替わるように改造すれば合法での運用は可能ですが、これは改造にあたります。(総務省より)
改造スマートフォンの電波利用は違法です。
また、外的な仕組みでの切り替えも改造とみなされ、違法です。(総務省より)
スマートフォンは自動で機内モード・通常モードを切り替えることが出来ません。
これが出来れば、上空の電波利用に当たらずに済むかもしれませんが、今度は違法な改造の装置による電波になり、やはり電波法に抵触します。
よって以上の理由により、スマートフォンをGPSとして利用する方法は皆無です。
他の電波機器を使用するほかありません。
合法的に利用できる電波についてはスマートフォンや携帯電話を上空で使用することは違法ですにて記載しておりますので、こちらをご参考ください。