スペースバルーンに適したカメラを一挙公開! 「そんなことしていいの? 真似しちゃうよ?」どうぞどうぞ、みんなで宇宙をみましょう! 誰でも宇宙に触れられる未来を目指している私が使用している機材を隠すのはおかしな話ですから、一挙公開しましょう。安いものから高いものまで、全部公開。どうしてそのカメラを選んだかも一緒に載せちゃいます。値段順に並べてみました。2,000~100,000円までとっても幅があります。
1.トイカメラ Eazzzy
1号機から4号機に使用していたトイカメラです。金額は2,000~3,000円ほど。初めの頃はお金がなかったのと、重いと危ないので最も軽いカメラということで採用していました。重量は25gくらい。カバーを外すと10gもありません。超軽量で超小型です。下の画像は著作権などが問題にならないようにアマゾンのアフィリエイトサービスを使用して、商品画像を表示しています。画像をクリックすると商品ページに飛べるようにしてあります。
2.RECORO
インターバルカメラです。自動的にシャッターを押し続ける仕組みを作ることが難しかったので、このような数秒間隔で延々とシャッターを切り続けてくれるインターバルカメラを採用しました。これが5号機・20号機です。金額は6,000~8,000円ほど。リンクは私が使用したことがある機種です。重量は電池を入れて120g程度ありますが、これも外側を外して改造してしまえば60gくらいまでスリム化できます。最近新型の新しいレコロも発売されています。旧型は単三電池2本で動きましたが、新しいものは電池の必要数が4本になったので重たくなりました。旧型の方が風船撮影には向いています。
3.JVC スポーツカム ADIXXION GC-XA1
これもインターバル撮影も可能なカメラです。もちろん動画もオッケー。インターバル撮影なら1秒間隔で録画できます。カメラ自体の重量は非常に軽く104g。ただ、これの内蔵バッテリーだけでは電池切れになってしまうので、追加でバッテリーをつけなくてはいけません。するとカメラ回りだけで重量は250g程度になるはずです。このカメラは2012年に行った打上のたくさんの機種に搭載されています。金額は16,000円程度。ただ、性能的にGoproの方が風船撮影に適しているため、これを使うのならGoproの方がおすすめです。ただ、Goproが高くて手が出せないという場合には選択肢としてあり。Gopro1台でこのカメラが3台買えます。
ちなみに、このカメラはこのままで防水。なので、仮に川に落ちても壊れません。GoProだとハウジング(透明なカバー)を付けないと壊れてしまいますが、ハウジングを付けると物凄く重たくなります。軽く仕上げることができるということは経済的ということで、このカメラはお財布の味方です。これを使用して日本初の民間・個人による宇宙撮影を成功させました。
4.スポーツカム ADIXXION GC-XA2
上のカメラの新型。重量変わらず、性能が上がっています。値段もちょっと上がっていますが、それほど高くない。20,000円程度。SDカードで128GBまで読み込んでくれるので、長時間撮影可能、といっても風船はそんなに長く空にいないので、32GBか64GBで十分。ちなみに手振れ補正が付いているので、多少揺れても綺麗に撮れます。
5.DRIFT HD1080p CAMERA
家電量販店などであまり扱われていませんが、これはとても便利なカメラでした。15・16号機で使用しました。インターバル撮影(写真撮影)も動画撮影もできます。値段は20,000円程度。このカメラは搭載バッテリーが大きいので宇宙撮影の大部分の時間動いていてくれます。色々付ける必要がないので、かなり安上がり。重量も100gと軽いです。しかも防水なので、これまた水に落ちてもデータが消えてしまった!と泣くことはありません。回収しても映像を見るまでが宇宙撮影ですから、このカメラはピッタリです。
6.GoPro Hero3 ホワイトエディション
GoProはホワイト・シルバー・ブラックの3種類が販売されていますが、ホワイトが最もリーズナブルです。性能はシルバーやブラックには劣りますが、安くて最低限の物が同梱されている。ブラックやシルバーはちょっと・・・と言う場合にはホワイトを選ぶと良いです。値段は30,000円程度。GoProは結構高いです。が性能はかなり良いです。私はGoProのホワイトは過去に1度だけ使用しました。お金がないなら上に挙げたアクションカムのうちのいずれかを使用する方が良いでしょう。わざわざGoProを使用するならシルバーかブラックの方が良いです。
7.GoPro Hero3+ シルバーエディション
上の上位互換。値段は少し上がって38,000円程度。GoProはカメラ自体が防水ではないので、下の写真の左側のようにカバーを付けないといけません。このカバーをハウジングと呼びます。ハウジングは重いです。そして、形がぼこぼこしていて、これを包む機体を作るのがとても面倒くさいです。色々デメリットがありますが、水から守ってもらえるのは良い事です。ホワイトより設定できる事柄が増えているので、色々な撮影が可能になります。
8.GoPro Hero3+ ブラックエディション
GoProの最上位機種です。値段は他のアクションカメラより大分高く、50,000円程度。高いですが、このサイズ、この重量でGoPro以上の性能のカメラは存在しません。他に対抗馬がいないんです。このカメラは4Kすら撮影できる超高性能カメラです。ただ、15fpsですが・・・ 15fpsはかなりカクついて見えるので、風船に吊るしての撮影には向きません。4Kはすごいけど最低でも24fpsは必要なので、やっぱりフルハイビジョン撮影がおすすめ。ちなみにフルハイビジョンよりちょっとだけ大きい、2.7Kというモードでも撮影でき、このモードなら30fpsで撮影できるので、十分に見るに堪える映像を堪能できます。フルハイビジョンでは60fpsも搭載。スロー撮影もできてしまいます。どうせGoProを使うのであればブラックがやっぱりおすすめです。バッテリーの消耗が激しいので、追加バッテリーが必要です。一応GoProの純正追加バッテリーも売ってます。
9.Nikon 一眼レフカメラ D7100
今年打上した一眼レフカメラです。さすが一眼なだけあって、撮影できる写真は段違いです。GoProで喜んでいましたが、これで撮影すると美しさの虜になってしまいます。このカメラで撮影する場合、重量がかなり大きくなってしまうので、アクションカメラを十分に運用して、安全な打上が常態として可能になってからやらないと危なすぎます。いきなりこれを上げるのはあまりにリスクが高すぎるので、まずはアクションカメラからチャレンジしてコツを掴んで下さい。値段はカメラのボディだけで80,000円程度。それにレンズが付いてSDが付いてと合計すると200,000円程度になります。このカメラはマニュアル設定なので、適当に打ち上げても真っ白になったり真っ黒になったりして何も映りません。ですから、なおさらアクションカメラから打上げて勝手を知る必要があります。
10.Blackmagic Pocket Cinema Camera (BMPCC)
色が全く違った次元の異なる映像を撮影することが出来るシネマカメラです。BMPCC宇宙に行く!で使用されたカメラでもあります。カメラ自体は100,000円程度。けれどもこのカメラを使用する場合は別途レンズと、フィルター、レコーダー、その他諸々必要になるので、上のD7100同様、結構高くなります。電池の持ちにどうしても限界があるのが現状の課題です。このカメラもまたマニュアル設定なので、適当に打上げしても何も映りません。一生懸命飛ばしてなにも写っていないのはかなり悲しいです。そんな悲しい思いは先人だけで十分。後からやる人たちが悲しい思いをする必要はないので、後々カメラの設定も公開していきます。
番外 いつか使ってみたいカメラ
REDという世界最高のカメラがあります。いずれこのカメラで宇宙を見てみたいです。値段がカメラ本体だけで3,000,000くらい。遍く星々を撮影できるのはこのカメラ以外ないでしょう。高いけれど、いずれ。
以上10のカメラを選んだ理由
どのカメラでも宇宙撮影が可能かというとそういうわけではありません。使えるカメラと使えないカメラがあります。以上10のカメラは全て以下の3つの条件を満たしていました。
- 風船が上空に漂っている時間動作し続けることが出来る。
- 自動で撮影し続けることができる。
- 途中で電源が落ちてもデータが失われない
この3つの条件を満たすカメラを見つけるのは結構大変です。カメラは高いので、折角買ってみても使えないというのは泣けます。以上10のカメラでファームウェアのアップデート等で使用が変更されている可能性もありますので、事前に実験をして、実際に3つの条件を満たし大丈夫かどうか試してみて下さいね。
最後にカメラ選びのためのちょっとした助言
10種類のカメラを紹介しました。まずは1~8から始めることをおすすめします。初めの頃の実験は失敗の連続です。カメラが行方不明になることもしばしばあることでしょう。私はだれもやっていないころから始めたので、なにも道しるべがなかったため成功するまで11機も作り続けました。他の記事等を見て私の失敗談などを参考にしていただければ成功の近道を辿ることが出来るはずですが、それでも4・5回程度の失敗は覚悟してください。初回で成功というのはなかなか難しいです、というか初回で上手くいくと思わない方が良いです。4・5回失敗しても実験を継続できるくらいの金額のカメラを選んで実験を始めることをおすすめします。50万円の機材を5回なくすのと1万円の機材を5回なくすのでは痛手は全然違います。立ち直れるレベルからやっていくのが、実は一番大切な実験のコツです。
失敗を続けて、長く先の見えない道を歩き続けることは不安です。が、そんな時は私の失敗談などを読んでみて下さい。私もかなりダメダメです。宇宙も夢も諦めなければいずれつかめる、そんな想いを共有できる人たちが増えていくことを願っています。
1件のコメント
Pingback: スペースバルーン撮影について調べてみた | Shout360