ふうせん宇宙撮影の技術提供と運用システムを利用することで、札幌日本大学高等学校の生徒さんたちがスペースバルーンを成功させました! 高校生では日本初?の快挙です。高校生でも宇宙に触れられるそんな時代が来たんです。素晴らしい時代ですね! 今回は日大高校のみなさんとのドキュメンタリー記事にしました!
日大高校との出会いのきっかけ
札幌日大高等学校ではこれまで1年近く授業を行ってきました。
札幌日大高等学校は私にコンタクトを取る1年前から高校生だけで開発をしていたのですが、色々な難題にぶつかり開発が難航していたそうです。何か良い情報はないかと調べている中で私のサイトを発見し、ヘルプを頂きました。そんな経緯でかれこれ1年間授業を担当するようになったのです。
この写真は真空と低温の実験。成層圏でも耐えられるかどうかの試験です。去年の夏ころだったので皆半袖です。
高校では学年最下位であった私が学校の教える立場なんてなんだか不思議な気分です。私が高校生だった頃は今のように個人情報保護など煩く言われない時代だったので、テストの度に点数と学籍番号が張り出されたものです。最下位である400位の点数が低すぎて笑ってみていたら、自分の学籍番号だったなんてことが何度あったことか。そんな私が先生なんて呼ばれるのはあまりにも恐れ多いので、生徒さん達には岩谷さんと呼んでもらうことにしていました。
いざ打上げ・必ず帰ってこいよ~
それから色々な実験の仕方や作り方のコツなどをアドバイスして、一緒に実験して失敗して、壊して、悩んで、考えてもらてもう一度作り直してもらってを繰り返して1年間。9月7日集大成となる打上を実施しました。私がでしゃばっては高校生の打上にならないので手を出したいのをグッとこらえて生徒さん達に準備してもらいます。
なんだか初めの頃の自分を思い出します。なんだか緊張した面影です。「打上が成功したらジンギスカンだよ!」と言うと生徒さんたちの顔が途端にほころびました。
準備完了。折角なので打上前に記念撮影。一番左が藤原先生、一番右が私です。先生が引率で私は生徒のように見えなくもないかも。こんなことを生徒さんに行ったら苦笑いされそうですがw
記念撮影も終えて打上げ準備。打上方のコツをちょっと伝授。『紐を伸ばした状態で飛ばすといいんだよ~』
背の高い学生さんに紐を伸ばした状態で打上体制を取ってもらいます。紐を伸ばす理由は、突然張力がかかることで紐が破断することを避けるため。それから揺れを小さくするため。これから挑戦したいという学生のみなさん、挑戦する時はこの姿勢でやってみて下さい!
いざ、打上げ。きれいに上がって行きます。良い姿勢で打上すると安定した映像が撮影できます。これは上手くいくのではないでしょうか。
落下予測地点に向かいます。先回りして落下を待ちます。落下してくるまで時間があるので、待っている方は不安いっぱいです。山に落ちたらどうしよう、途中で割れてたらどうしよう、想定外に流され過ぎて行方不明になったらどうしよう。生徒さんたちもなんとなく不安な様子です。
1時間後、落下地点が判明。なんと落下位置は予測地点ほぼピンポイント! 落下予測地点から3kmも離れない牧草地でした。
「なんか音が聞こえる~」
発見用アラームが鳴っています。すぐそこに機体があるはずです。落下先は牧場主さんの土地なので、先生が許可をもらいに行きます。許可が出るまで入りません。もどかしい。
入ってもOK!と許可をもらえました! 駆け出す生徒さんたち。すぐそこに宇宙に行ってきた機体があるんです!
無事回収してみんなで笑顔の記念撮影。3年間の努力が報われましたね! 私も素敵な思い出になりました。先生、生徒のみなさん、ありがとう!
撮影映像はこちら!
さて、気になる札幌日本大学高等学校の生徒さんたちの撮影した写真はこちら。
風船が砕け散る景色が美しいです!
情報
札幌日大のスーパーサイエンスハイスクール http://www.sapporonichidai.ed.jp/diarypro_ssh/diary.cgi?field=2
札幌日本大学高等学校 http://www.sapporonichidai.ed.jp/
おまけ
先生が学生さんの成功を祝ってジンギスカンをご馳走してくれました。中札内のジンギスカン『ロン』です。私もご馳走に預かったのですが、とてもおいしいジンギスカンでした。打上げで中札内周辺に行ったときまた行きたいな~