過去の実績からの単純な確率計算
過去45回の打上の回収確率は90%です。これは、ふうせん宇宙撮影の1号実験機からの統計上の回収確率です。しかし、風船打上げは大きく天候に影響されるので常に同じ確率で回収できるということはありません。
どうして確率が変わるの?
回収確率は大きく上空の風に支配されます。例えば、下図をご覧ください。
風船は風に流されます。抗うことはできません。ですので、風の強い日には必ず流されます。左が風の弱い日、右が風の強い日です。右の飛行経路の場合、どうあっても回収確率はゼロです。
風船の打上げでは、風の弱い日を選ぶことがいかに重要であるかご理解いただけますでしょうか。
このような風の予測は7日前である程度の予測が可能になり、3日前でほぼ確実な予測が出来るようになり、前日には正確な飛行ルートを算出できます。風が弱い方が正確に飛行予測をしやすく、想定外の事態でも対応しやすく、安全です。
風によって回収確率が変わるのです。そのため「風を読めること」がとても大きく回収確率に効いてきます。
過去27年分の気象データからの傾向分析
風の流れは季節によって大きく事なります。
しかし過去のアーカイブから季節ごとの傾向を掴むことが可能です。
過去の統計を分析することで、季節毎に最も回収確率の高くなる地点を算出し打上を行います。
より高い回収率を実現するために
確率は天候に左右されますが、ふうせん宇宙撮影の開発装置運用によって確率を上昇させることができます。発見用の装備を充実させ、より厳しい環境に対応させることが出来ます。
しかしながら、確率を上昇させるのは完全に費用との相談です。風の強烈な季節に「どうしても打上げをしなければならない」となると、風の弱い季節の5~10倍近い費用がかかってきます。ですので、やはり風の弱い季節に実施することをおすすめします。