この高度まで上がると、気圧は100分の1~1000分の1まで低下。人間は宇宙服を着ないと死んでしまいます。
空気が無視できるほど薄いため、国際宇宙ステーションから見る景色とほとんど大差ない景色を見ることができます。
風船宇宙撮影の仕組み
風船による宇宙撮影は原理はとても簡単です。どういう過程を経て、気球は宇宙に行って帰ってくるのか。その一連の流れを図解し解説します。
自然現象を利用した、安全な宇宙撮影です。
より詳しい解説は、風船宇宙の旅旅程説明と簡単すぎる風船宇宙撮影の原理にて行っていますので、ご参考ください。
風船宇宙撮影とは
ふうせん宇宙撮影とは、岩谷圭介によって開発された日本版スペースバルーン(Space balloon)です。
日本人が日本に合わせ日本で行うために生み出した仕組みなので、和名で私自身の活動は、『ふうせん宇宙撮影』と呼ぶことにしています。スペースバルーンもふうせん宇宙撮影も、バルーンを使用した高高度からの地球と宇宙の撮影方法です。
海外ではスペースバルーン(Space balloon)と呼ばれています。その名称が日本に入ってきたためか、2014年末頃から日本でもスペースバルーンと呼ばれるようになってきました。しかしながら、海外の手法は日本国内では使うことができません。人口密度の高い日本では安全的な観点からの問題もありますが、最大の問題は法律的な日本の国内法で、海外の仕組みでは運用すると違法になってしまうことです。
そのため、日本の気候と土地、そして法律に最適化した構造でゼロから開発し、ふうせん宇宙撮影を確立しました。宇宙と地球を撮影するということに関して、やっていることは同じではあるのですが、スペースバルーンからの派生ではありません。スペースバルーンとは根本的に違う構造とシステムで出来上がっているために、私自身は自分の装置のことをスペースバルーンと積極的に呼ぶことはありません。
日本人が日本に合わせ日本で行うために生み出した仕組みなので、和名で私自身の活動は、『ふうせん宇宙撮影』と呼ぶことにしています。
宇宙撮影を行う1つの基準として、上空30㎞より高い高度から撮影することと定義しています。
なぜ上空30㎞かというと、この高度まで上がると地球大気の99%より高い位置に来たことになります。
そのため、空気による影響を受けずに宇宙撮影が可能です。
これより低い位置であると、どうしても大気の中から撮影しているように見えてしまいます。
そのため、上空30㎞を一つの基準としているのです。
装置説明
風船宇宙撮影は世界一安全な宇宙開発方法です。
世界の他の地域で行われているSpace balloonと違い日本国内で実施するため、十分な安全を考えた装置設計がなされています。
浮力を得るためには化学的に安定して安全なヘリウムガスを使用しています。
パラシュートは最も信頼性の置けない減速装置ですが、心配はいりません。
機体重量は300g以下になるように設計されており、空気の中を通って降りてくるため、必ずどんなことがあっても時速20km以下になるように設計されています。
この重量の物体が時速20km以下で落下してくる場合、ソフトテニスボールでキャッチボールし、受け止める程度の衝撃しかありませんので、人体に無害です。
さらに最大6億円までの賠償責任保険にも加入し、実施しております。
安全性について、さらに詳しくたくさんの記事がありますので、以下のリンクをご参考ください。
風船宇宙撮影ができる時期
風船による宇宙撮影は天気に大きく左右されます。
完全に風まかせに飛んで行くので、風の予測がほとんど正確にシミュレーションできなくては回収することができません。
適当に空に放った場合回収確率は5~10%です。また、適当に行うと事故を起こす可能性が極めて高くなります。
風船宇宙撮影は天候の安定した夏場に行うのが無難です。
概ね5~8月に実施します。
しかしながら、天候の安定した時期とはいえ、打上ができない日もあります。
自然に逆ららず、法則に則って実施することが成功への秘訣です。
打上の際に、地上の天候による影響はそれほどありません。
雨が降っていると作業に支障は出ますが、飛行には支障がありません。
撮影される景色は天候により大きく異なりますが、これは一興です。同じ空模様の日は絶対にありえないので、打ち上げる度に違った地球の顔を見せてくれます。
どちらも魅力的ですよね。
国内法に基いた打上体制
風船の打上の際には国内法を順守した上で行っています。
完全に合法で打上を行うことができるのは風船宇宙撮影です。
航空法に基く各種手続きを行い、各種法律を全てクリアした合法的な打上です。
日本国内での風船打上に関して注意しなくてはならないのが、とりわけ電波法です。
知らずの内に違法行為を行っている団体が多数見受けられますのでご注意ください。