前回引き続き、連載3回目です。
今回は、協力者との作戦会議です。前回、多少のことが決めることができたので、より現実にしていくため、協力者に会いに行きました。
私一人ではできることに限りがあります。
知っていることも限りがあります。
開発は新しいこと尽くめの、困難に敷き詰められた開発でした。
ですから、私の知らないことを教えてくれて力になってくれる方に会いに行ったのです。
飛行機に乗って出発です。
向かった先は北海道。
Fusen Ucyu Project発祥の地です。
思い返せば北海道中、風船を追いかけて駆け回ったものです。
空港でレンタカーを借り、訪れたのは、ロケット開発にも力を入れている機械メーカー、植松電機。
植松電機さんとは、私が宇宙撮影をチャレンジし始めた最初のころからお付き合いがあり、北海道を離れていた間も、たびたびお力を借りていました。
写真に見える鉄塔は、無重力実験塔です。
今回のプロジェクト概要を相談し、装置の弱点や必要な検証をまとめていきます。
今回の装置開発では機械部品が必須でした。
機械部品についても相談を進めていきます。
今回の装置のために設計した機械部品は3種類。
1つが、シャフトとバルーンを接続するためのバルーンプレートです。
このプレートは切離装置の一部にもなる予定です。
そして2つ目が、ブレーキプレート。
軸に装着する諸々を止めるためのプレートです。
2個1セットで使います。
そして3つ目が、シャフトキャップです。
シャフトの両端に接続します。
これがあることで、軸に取り付いているものが外れるのを防ぎます。
特注の機械部品を作るのは色々大変です。
機械部品が出来上がったら、装置のさらなるブラッシュアップと検証を実施して、どんどん形にしていきます。
部品設計会議の他に、今後行うであろう2連バルーン打上実験の実験についても作戦会議を行いました。
新型装置は大がかりになったため、これまで2~3人いれば実施できた実験も、5~8人程度必要になりそうです。
作戦会議を終えて、一人お疲れ様会です。
帰って設計、製作、山積みの課題が待ってます。
次は搭載機材の調整をしなくてはいけません。
次回は、搭載するカメラの低温環境の動作試験です。
上空はとても寒く、さらに上昇すると空気がなくなり熱くなるので、搭載するカメラなどの機材には適切な処理を施さなくてはなりません。
次回もよろしくお願いいたします!