ジェット気流ってなに? 風船にどんな影響があるの?

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ジェット気流は風船に大きな影響を与えます。

ジェット気流に乗ってしまうと風船はどうなってしまうのでしょうか。ジェット気流の季節的な変化や特性について解説しています。

 

ジェット気流という単語がこのブログ内で度々出てきます。

ジェット気流の私たちの日常に関するエピソード、

アメリカに飛行機に乗っていく時に行きは早く着いて帰りは時間がかかる。

アメリカ行きは燃料をそれほど消費しなくて済むが、帰りはたくさん燃料が必要になる。

こんな話は聞いたことはあるのではないでしょうか。

 

歴史的には、

第二次大戦中に日本の高層気象台がいち早くジェット気流の存在を発見し、風船爆弾を飛ばしアメリカ本土を爆撃した。

なんてエピソードもあります。

 

ジェット気流とは何か

簡単に説明してしまうと、猛烈な速度で吹いている風の流れです。

早いところで秒速100m以上の速度があります。時速に直すと360km/hですから新幹線よりなお速い、猛烈な風です。

こんな風、台風が来たときでも滅多に吹きませんが、ジェット気流は毎日どこかで吹いています。

日本においては、冬場であればほとんど例外なく毎日吹いています。

ジェット気流は地上付近では吹きません。

吹いているのは、上空8000m~13000mのとても高い場所です。

このくらいの高さを飛行機が飛ぶので、飛行機はジェット気流の影響を大きく受けるのです。

富士山の2倍以上高い場所を吹いていますから、地上で生活する私たちは気付くことはないんです。

 

ジェット気流は別名ジェットストリームとも言います。

川のように蛇行しながらとても広い帯状に広がっています。

帯の幅は日本列島をほとんど全て覆ってしまうほどの広さです。

 

季節によるジェット気流

ジェット気流は季節により変わります。

強さや帯の広さが季節により変動します。

ジェット気流は冬場に強くなる傾向があり、時速360㎞を超すのは冬場だけです。

帯が広くなるのも冬場です。

一方夏場はほとんどジェット気流が吹きません。

日本の上空においては、消滅してしまうことすらあります。

 

2種類のジェット気流

日本に影響あるジェット気流は2種類です。

寒帯ジェット気流

亜寒帯ジェット気流

の2種類です。

主に北海道は主に寒帯ジェット気流の影響を受けます。東京大阪など本州は亜寒帯ジェット気流の影響を受けます。

とは言え、ジェット気流は蛇行しているので、どちらのジェット気流も本州・北海道にかかることもあります。

それぞれのジェット気流は存在する高さが違います。

寒帯ジェット気流は250~300hPaに存在。

亜寒帯ジェット気流は200hPaに存在。

つまり、寒帯ジェット気流の方が低い位置に存在するわけです。

 

ジェット気流に風船が捕まるとどうなるの?

このジェット気流に風船が載ってしまうと、風まかせに飛んでいる風船はこの流れに完全に乗ってしまいます。

つまり、冬場だと時速360㎞で風船が移動するわけです。

この速度は新幹線より早いです。

風船が新幹線より早いなんて信じられないと考えられるかもしれませんが、風船は風に乗っているだけですから、風との相対速度はゼロ。

つまり、風船は風を受けていない状態で漂っているだけですから、時速360㎞で移動できるのです。

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About Author

私は日本人で初めて、独力で宇宙開発を成功させました。私の行っている風船宇宙撮影を通して、より多くの人に、宇宙をもっと身近に、そして夢はすぐそこに広がっていることを実感してもらいたいと思っています。

10件のコメント

  1. 山口 颯斗 on

    成層圏に達するまでに気温が-70℃ほどまで行くと聞きました。
    カメラやGPSなどの機器を気球を飛ばす前から起動させるのですが、途中でバッテリーが切れたり電源が落ちたりしないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
    また、今までの実験で夏に北海道で行った時の打ち上げ地点の場所と、そこから落下地点の距離と方角のおおよその値を教えてください。

    • 山口さま、はじめまして。
      コメントいただき、ありがとうございます。
      >カメラやGPSなどの機器を気球を飛ばす前から起動させるのですが、途中でバッテリーが切れたり電源が落ちたりしないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
      GPSは着陸(着水)後に起動でも構わないのですが、カメラは起動させたままになりますので、熱の制御が必要です。
      バッテリーが切れてしまうことは熱制御で回避できます。
      寒い場所では熱を与え、熱い時には熱を奪うような制御が必要です。
      試験機を作り地上で実験してから実施されるとよいかと思います。ドライアイスが温度がちょうどです。
      色々な手法がとれるので、試してみてください。
      やってみると、結構動くものもあったりして驚きます。

      >また、今までの実験で夏に北海道で行った時の打ち上げ地点の場所と、そこから落下地点の距離と方角のおおよその値を教えてください。
      落下距離や方角は、毎日毎時間変動しており、日によって北に行ったり南に行ったり、10km先に落ちたり500km先に落ちたり、かなりばらつきがあるので、
      これまでのデータを公開しても、まったく参考にならないと思います。
      過去の上空までの気候は気象庁で公開しておりますので、そのデータをご参考下さい。
      http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/upper/index.php
      数十年分の日本全国のデータが掲載されていますので、過去のデータから傾向をつかむことができるはずです。
      ご活用ください。

      • ありがとうございます!
        実験してみようと思います!

        あと重ねて申し訳ないのですが、気象用バルーンを購入するにあたって、高等学校を仲介する場合どのような手順で手に入れることが出来るのでしょうか。
        購入できる場所なども分からない状態です、、、、

        • 日本国内だと、事故が発生した場合にメーカーにも影響があるため、気象用バルーンを新規で販売してもらえるところはほとんどありません。
          海外からの個人輸入され、安全と法令を守ってご使用いただけたらと思っております。
          気象用バルーンはアメリカのアマゾンでも販売されています。
          【weather balloon】などのキーワードで検索してみてください。
          アマゾンUSAからは輸入代行の業者を通せば購入できます。

          • 山口 颯斗 on

            迅速な返信ありがとうございます!
            参考にさせて頂きます。

            私たちは高校生の5人のグループで風船宇宙撮影をしようとしています。
            今年の8月に北海道に行って打ち上げようと思い、GPSやヘリウム、気象用バルーン以外の物品はおおよそ揃っているのですが、問題になるのが学校を経由して気象用バルーンを購入する際に学校に安全性を理解してもらわないといけなくなり、安全性を証明するためにはどのようにすればいいのかが分かりません。
            学校側は周りに害を与えることを懸念している(線路や道路に落ちたらどうするかなど)ため岩谷様の記事を参考にさせて頂き、またパラシュートの速度を調節する実験も行い安全性を証明しようとしているのですが、もう一つ学校側から言われたこととして、もし事故等を起こしてしまった場合どのような保険に入っておきどのような対処をするのかと言われました
            なので岩谷さんが加入した、もしくは私達が入るべき保険の加入方法、金額、内容を教えてください

          • 私の保険は、私が私の装置を運用する際に適応されるものなので、これをそのままご紹介することはできませんが、保険に加入する方法はいろいろあります。
            1つに、学校などで加入している実験の保険に加入することです。これは簡単な方法です。
            実験で起こった事故をカバーする保険というものが世の中にはあります。
            風船の打上も実験ですから、この手の保険に加入できるかもしれません。
            学校に相談してみてください。
            2つに、旅行保険を使える可能性があります。
            旅行保険も様々ありますが、幅の広いものであれば、レジャーの一環として起こったことをカバーする保険があるかもしれません。
            保険会社に相談してみてください。
            3つに、保険を自ら作る方法です。
            これは私が取った方法ですが、時間と労力がかかります。
            私は保険会社から求められた内容を50枚程度の資料にまとめ、2か月程度揉んで、ようやく出来上がりました。

            保険の金額は、信頼や事故の確率によって大きく変わります。
            確率が求められないと、とても高い金額になってしまいます。
            また、実験規模によっても金額が大きく変動するので、金額については保険会社とご相談してみてください。

  2. 何度も返信して下さりありがとうございますm(_ _)m色々な方法がありますがどれも簡単にはいかないようですね…

    あと重ねて本当に申し訳ありません(><)
    GPSはどのようなものを買えば良いのでしょうか。そしてどういった方法で現在地がわかるのでしょうか。
    例えば携帯会社の電波を経由してスマホなどに現在地が届くとかであったり、そうであったとして電波が届かなくなる可能性もあると思います。
    そこのところが分からず行き詰まっています。
    よろしくお願いします。

    • 私の打ち上げている場所は北海道の大平原なのですが、基本的に携帯電話は圏外です。
      なので、スマホで地図アプリを開こうとしても開けなかったりします。
      携帯は便利ですが、法律上風船を使った宇宙撮影の装置には使えないです。(地上で探索者が使用する分にはOKです)
      探索用の装置についても【必要な物品】の中で触れているので、ご参考ください。
      http://fusenucyu.com/6001
      実験する場所やシーンによって、適切な装置が変わりますので、ご自身の実験に最も適した装置を作り上げてくださいね。
      高高度気球というキーワードで、論文を検索してみても良いかもしれません。
      様々な大学で研究がなされていて、皆同じ苦労をしていて、その解決方法などが載っていますよ。

      • GPSや航空法などのことについて詳しく聞きたいので、後日電話させてもらってもよろしいでしょうか。
        いつなら可能でしょうか。
        できるだけ早めにお電話したいです。

        • 山口さま、はじめまして。
          コメントいただきましてありがとうございます。
          いただきましたご質問ですが、大変申し訳ありませんが、活動の方針と私の信念に基づき、個別でのお電話にての対応は行っておりません。
          私は、宇宙撮影について、当ホームページを通して情報公開をしております。
          しかしそれは、インスタントラーメンのように、買ってきてお湯を入れればさあ出来上がり、という体験を提供するために公開しているのではないのです。
          宇宙撮影を成功させるためには、何度も実験を行い、知識を蓄えていかなくてはいけません。
          その過程にこそ意味があり、なすべき価値のあるものであると考えております。
          苦労して成功させるまでのステップを踏むことで、宇宙撮影を挑戦の一つのケースとして利用して下さい。
          この視点から挑戦を応援しております。
          ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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