冬場には打上の実施は積極的に行わないため、現在は2015年に飛行させる新型機を設計しています。
2015年春から投入する新型機は、これまでの経験を生かし、抜本的な変更が施されています。新しいアイディアを多分に盛り込んだために、見た目もこれまでの機体から大きく進化しています。かけ離れた姿になってしまいました。
工作工程が増えたので、私自身が制作するのは大変になりましたが、これまでより出来ることがとても広がりました。まだまだ今年の打上げ時期は先ですが今から楽しみでしかたありません。
改良点1 回転の排除
これまでの機体は、バルーンから吊るされた機体が回転していました。回転には長い間頭を悩ましてきました。回転が速い機体、遅い機体はありましたが、やはり回転していると映像が良くありません。
複合材料を開発し問題解決に臨みました。今年飛行させる新型機は構造的に回転が発生しません。とは言え、実験してみないとどの程度かは分かりませんが、理論的には起こらないはずです。
また、構造的に振動も大幅に低減されることでしょう。機械的な制御機構も搭載します。
大きな設計変更であるために、これまで経験してこなかった新しい問題が顔を出す可能性がありますが、それもまた実験です。
改良点2 安全性の追求
これまでの機体も安全性には十分な配慮を行い設計してきましたが、新型機にはさらなる安全性の向上を盛り込みました。
より軽く、より落下速度が遅く設計されています。発泡スチロールの肉厚も分厚くなったので、これもさらな安全性の向上です。
改良点3 拡張性の向上
これまでの機体の多くは球体型でしたが、球体型は工程上加工しにくさがありました。
球体型で合った最大の理由は姿勢安定性の観点からですが、これは抜本的な設計変更により排除されるので、新型機は形状が自由に決定できるようになりました。
空気抵抗に影響されにくい装置になったために、自由度が増しましたのです。
形状の自由度が増したために、より拡張性が高い形状で制作することが可能になりました。拡張性の高さから様々な高性能カメラや特殊カメラを運用することも可能です。
新型カメラや改造カメラ、複数のカメラを同期させたものも自由自在に運用できます。
機体自体を空中撮影するようなアングルでのカメラ配置もすらも可能になりました。
こらまで様々な人形等の被写体を搭載してきましたが、より自由にすることが可能になりました。
具体的に何グラム増大したかなどはこれかの実験で判明してくることですが、搭載可能な被写体重量もこれまでの機体より遥かに増大しました。恐らく20倍近くまで可能です。
その代り、工程数が増加し、制作に時間がかかるようになったのがデメリットです。
改良点4 新型飛行シミュレーションの開発
新しい飛行予測プログラムも開発しています。日本近辺限定ではありますが、これまでの10倍の精度で天候をシミュレーションしますので、飛行予測もより正確になることでしょう。正確な飛行予測は安全な空の旅に繋がります。
改良点5 新型パラシュート搭載
これまで使用してきたイワヤ式パラシュートの派生形の新型のパラシュートを開発しました。
新型パラシュートはこれまで以上に丈夫で、軽量で、合理的で、展開確率の高い安全性を追求したパラシュートです。
工程数がこれまでの半分以下になりました。
工程数が少ないということは、単純であるということです。
単純で丈夫なものは壊れません。壊れないものは信頼性が高いのです。
私自身制作するのがとても楽になったのが大きなメリットです。
改良点6 直前準備の合理化
新型機はこれまでの機体より、打上げ直前の準備に時間がかかる設計になっています。
打上げをシステマティックに設計することで、準備を可能な限り単純化しています。
準備中の安全性はこれまで以上に上昇させることができました。
しかしながら、打上前の準備はこれまでの倍近い時間がかかることが見込まれます。打ち上げ準備に1機30分程度かかるはず。。。